徒然なるままに
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2004年10月 6日


マニュアル人間(死語かも。。。)

私たちの周りを見渡すと、ブランド、権威、評判といったものに弱い人たちが いることに気付きます。

ファッション雑誌に取り上げられているものを何の疑いもなく身に付け気取って いる人たち、恋愛マニュアルを読み漁り、その通りに忠実に実行する若者、 自己啓発本に何度も啓発されてまた同じようなことを繰り返す人間(あ、これは俺か。。。)。

いずれも、不安定な世の中で何かに身を預けざるを得ない人間の脆弱な心状が根底 にあると同時に、突出せず、平均的な人間になることによる安心感を求めている証 なのかもしれません。

また、自分の生き方に対して自分で責任をとる勇気がない者が、他人に責任を押し 付ける為に、意志のない人形のように、書かれていることや、言われたことを ただ神の啓示のように実行に移すだけのつまらない人生を歩んでいるように思われます。

しかし、私たちにはそれぞれ個性というものがあり、同じ人間というものはこの世に 一人もいないのです。
そして、人それぞれに合う合わないがあるというのも当然のことです。

そしてまた、雑誌や本に掲載されている事が、信じるに値するものかどうかも判りません。
ただ有名だから、テレビに出ていたから、雑誌に載っていたから、高価だからという 理由だけで、自分自身で判断することを放棄し、ただ鵜呑みにするだけでいいのでしょうか。

個性化がさけばれる中、自己の内面の個性化をおろそかにし、外見ばかりを目立たせよう とした結果、結局、同じ人種が集団化して、没個性化してしまった者たちも多く見かけます。

現代の学校教育が、情操教育を重要視せず、画一的な知識を植え付けるだけの教育 をしてきた結果、低い自尊心を持ったまま大人になってしまった者たちもいます。

オグ・マンディーノは「この世で一番の奇跡」という小説の中で次のように書いています。

あなたの兄が歩くように歩いてはなりません。
あなたの指導者が話すように話してはなりません。
人が働くように働いてはなりません。
他人と同じことをしてはならないのです。
人真似をしてはならないのです。
自分が悪魔の真似をしていないことがどうして
わかるでしょう。
誰のことも模倣してはなりません。
自分自身でありなさい。

これは小説の中で、サイモンという名の老いたラグピッカー(廃品同様の人間を 生きる屍のような状態から甦らせる人たち)が、主人公に書き残した「神の覚え書き」 という題名の原稿に書かれている一節です。

人が自分を変えようとするのは、向上心の表われです。
しかし、それが単なる人まねであってはいけません。
何事も学んだり、吸収したあとは、自分の中で消化することが必要だと思います。




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梶浦 英一